一時猶予(リスケジュール)と任意売却
一時猶予(リスケジュール)とは
住宅ローンの返済に困った際、任意売却を駆使して返済に関する問題を解決できます。
ですが、世の中には任意売却以外にも住宅ローンの返済問題を解決する方法がいくつかあります。
そのうちの一つが、一時猶予と呼ばれる制度です。一般的にはリスケジュールとも呼ばれています。
一時猶予とは、住宅ローンの返済期間の一定期間、返済を免除する制度です。
具体的には、一定期間(通常は数ヶ月から1年程度)の間、元本や利息の返済が免除される制度となります。
なので、その期間中は住宅ローンの返済が一時的に楽になります。
一時猶予を進めるには、まず住宅ローンの取引先である金融機関に申し出る必要があります。
申し出の際には、返済が困難になった理由や、一時猶予期間の希望などを説明する必要があります。
金融機関は、申し出を受けた場合に、申し出内容に基づいて審査を行います。
一時猶予が認められる場合には、一定期間の返済免除が決定されます。
ただし、一時猶予期間中は利息は発生するため、一時猶予期間中に借り入れた元本に対して、その後の返済額が増加することになります。
また、一時猶予期間が終了した後は、通常通りの返済が再開されるため、計画的な返済計画を立てることが必要です。
誰が金融機関に申し出ることが出来るか
一般的に、一時猶予の申し出は、住宅ローンを借りた本人または名義人が行う必要があります。
住宅ローンの契約上の債務者であるため、返済に関するすべての決定権を持っているためです。
ただし、住宅ローン契約において、共同債務者が設定されている場合には、共同債務者も申し出を行うことができます。
共同債務者は、借入金の返済に対して、同様の責任を負っているため、一時猶予の申し出に関しても同様に権利を持っています。
また、住宅ローンの返済が滞り、弁護士や債務整理業者による債務整理が行われている場合はどうでしょうか。
その場合、債務整理の申し出人が一時猶予を申し出ることもあります。
ただし、債務整理においては、申し出人以外にも債権者が関与するため、一時猶予の申し出には債権者の同意が必要となります。
期間満了後に再度リスケジュールは可能か
一時猶予を申し出て受理された場合でも、所定の期間を経過した後に再び一時猶予を申し出ることは原則として可能です。
ただし、一時猶予を受けるためには、金融機関が申し出を受け入れる必要があります。
金融機関は、前回の一時猶予期間中に債務者の経済状況が改善しているか、または改善の可能性があるかどうかなどを検討します。
そしてもしも前回の一時猶予期間中に、返済能力が回復している場合には、再度の一時猶予を認めないこともあります。
したがって、一度一時猶予を受けた場合でも、再度の一時猶予を申し出ることができるかどうかは、ケースバイケースで異なります。
金融機関とのやりとりや個人の経済状況に応じて、判断材料が変わるため、一概にどうかは判断することは難しいでしょう。
一時猶予と任意売却は、どちらが良い?
一時猶予と任意売却は、住宅ローンの返済において異なる手段であり、どちらがより良い選択肢かは個人の状況によって異なります。
一時猶予は、一定期間の返済猶予を得ることができるため、返済の負担を軽減することができます。
返済が滞っている期間を有効活用して、収入の増加や債務整理などを行い、返済に必要な資金を準備することも可能です。
しかし、一時猶予期間中に借入金利が加算されるため、総返済額が増加することになります。
多くの住宅ローン返済中である日本人は、まず銀行など金融機関にリスケを申し出て、状況の改善を図ります。
一方の任意売却では、ローンの返済に必要な資金を得るために、自己の意思に基づいて住宅を売却することになります。
任意売却によって返済の滞納や債務超過を回避することができ、借入金の返済が完了すれば残ったお金を受け取ることができます。
一時猶予と違って、こちらは債務者本人のみで対応するのは難しいので、低予算または実質無料で専門家に相談するべきでしょう。
したがって、一時猶予と任意売却のどちらがより良い選択肢かは、個人の考え方や方針によって異なります。
返済が短期間で回復する見込みがある場合には、一時猶予を申し出ることで、返済計画を立て直すことができるかもしれません。
一方、返済が長期化する見込みがある場合や、より堅実かつ確実な問題解決を望む場合は、任意売却を検討するべきでしょう。
借入金返済の負担を減らすことができる、それぞれに合った方法を検討しましょう。