任意売却とは
任意売却の基礎知識 ~任意売却とは?~
任意売却とは「住宅ローンの滞納時・返済不能時の主な対応方法の1つ」です。
住宅ローンとは家を購入する際のローン、端的に言うと家を買うための借金です。家を購入した後に月々の返済額を設定して、毎月少しづつ借りたお金を返します。
しかし場合によっては、事情によりお金の返済が遅れたり止まってしまう場合があります。
そのような状況に陥ると、お金を貸した債権者は借りたお金を回収するために、あなたが買った家を合法的に売ってしまう(=競売)かもしれません。
それを避けるための方法が、まさに任意売却なのです。
住宅ローン滞納・返済不能時に検討するべき主な対応は3つ
住宅ローンの返済ができないと、最終的には残念ながら競売によって自宅を手放すことになります。
しかし競売になると、手元にはお金を残すことはできません。なぜなら売却金は全て債権者への返済に充てられるからです。しかも家を売られてしまうので、無一文の状態で新居を探すことになります。当然行き先を見つけるのは難しいでしょう。
そこで一般的にローンの支払いが困難で自宅を手放す場合、競売を避けるために考えられる方法があります。それは主に下記の3つです。
普通売却
~一般的な市場での物件売却を指します。通常は売買価格でローンを返済できる事を前提に選択される方法のため、売却価格がローン残債務額を下回る場合(オーバーローン)には、あまり採択されません。ちなみに売却を仲介する業者への手数料の支払いも発生します。競売
~裁判所によって「貴方の意思とは無関係」にあなたの自宅が売却され、自宅からの強制退去を命じられます。物件売却金は一切手元に残らず、全てローンの支払いに充てられ、不足残金も一括請求されます。また売却価格も市場価格の6~7割ほどになるので、負債が多く残ります。競売をしても良いことは全くありません。住宅ローンの返済が滞った状態や、返済不能状態が続くと強制的に競売が行われます。任意売却
~売却価格がローン残債務額を下回る場合(オーバーローン)、つまり普通売却ができない状態で、競売前に競売を避けて自宅を売却しローンの返済に充てることができる唯一の販売方法となります。一般的にオーバーローン状態だと(家を売っても債権を全額回収できないので)債権者が自宅を売ることを許しませんが、任意売却においては任意売却専門の業者が債権者と交渉し、適切なプランを提示して例外的に自宅の売却許可を得ることが出来ます。
ポイント①:任意売却は「競売の入札が行われる前」までに相談しよう
住宅ローンの支払い停滞がおおよそ3~6ヶ月ほど続いた場合、競売の開始決定通知というものが届きます。
これが届いたら、競売開始までの時間的猶予が残されていないということになります。
競売と同時進行で任意売却を進めることで時間との戦いがより一層厳しくなり、場合によっては任意売却に失敗してしまうこともあります。
そのため前提として、任意売却は競売の開始決定通知が届く前に取り組むことが望ましいのです。
ポイント②:「普通売買が難しい不動産」について理解しよう
「一般の販売活動(=普通売買)が難しい不動産」とは、オーバーローン状態にある不動産のことを指します。
「家を売った売却金>住宅ローンなど借金の残債務」(アンダーローン)の場合、通常の販売活動を通じて家を売ることが出来ます。なので任意売却はおそらく必要ないと思います。
逆に「家を売った売却金<住宅ローンなど借金の残債務」(オーバーローン)だと、通常の販売活動で家を売ることが難しくなります。その状況なら、競売になる前に任意売却をしたほうがよいでしょう。
「家を売った後の全売却金を使っても残債務を完済できない」なら、任意売却の出番です。
ポイント③:「普通売買が難しい不動産」を、普通売買したらどうなる?
「普通売買が難しい不動産」とは、つまり抵当権が設定されたままの不動産とも言えます。
抵当権とは簡単に説明すると「債務不履行(住宅ローンが返済不能)となった際に、債務の回収に充てるため、自宅などを担保とすることを設定する権利」です。実務上は自宅などの不動産を売った売却金で残債務を一括返済したら、債権者によって設定された抵当権は抹消される流れになります。
ですが、売却金で残債務を一括返済できない不動産(オーバーローン状態の不動産)を他の人に売っても、抵当権はその不動産に設定されたままになります。なので元所有者であるあなたが返済不能に陥ると、新しい不動産の持ち主は買った不動産を失うかもしれません。そんなリスクが高い不動産を買おうとしてくれる人は、まずいないでしょう。
なので「普通売買が難しい不動産」を、普通売買することは事実上不可能となります。
ポイント④:任意売却における「債権者との交渉と了承」について知ろう
任意売却では債権者と交渉し、任意売却活動を行うことを「了承」してもらいます。
そして販売活動前に抵当権を抹消してもらい、買い手にとってのリスクをなくして販売活動が出来るようになるのです。
任意売却では競売に比べて、不動産が比較的に高く販売できる場合が多いです。
債権者にとっても、いずれ返済不能となって競売で回収する額が激減してしまうよりは、任意売却をあらかじめ行って少しでも多く債権を回収したいのです。つまり債務者に貸したお金を回収する債権者と、多くお金を返したい債務者の双方に取って良い結果になるということです。お互いにとって、競売になるよりは任意売却のほうがよっぽどマシだということになります。
競売と任意売却の二者択一だと、債権者・債務者双方にとって任意売却が有利なため、債権者も応じてくれる場合が多いのです。このように債務者・債権者の双方にとって任意売却を行うことがいかに有用であるかを説得し、競売を避けるように持っていくのが任意売却専門業者の仕事となります。
競売との違いは?競売を避けて任意売却を選ぶ理由
任意売却と競売の特徴
任意売却
請求 :法的効力をもって、請求は止まる
差し押さえ :されない
売れる値段 :市場価格に近くなる≒高く売れる
残る借金 :少なくなる
残債の分割支払い可否:少額から可能
世間体 :保てる
売る時期 :相談可能
引越し費用 :残せる場合がある
生活費の工面期間: 猶予あり
競売
請求 :ずっと続く
差し押さえ :される
売れる値段 :市場価格の6~7割(お金は手元に残らない)
残る借金 :多くなる
残債の分割支払い可否:不可(一括支払いを求められる)
世間体 :保てない(競売の事実は公表される)
売る時期 :一切調整不可
引越し費用 :残らない
生活費の工面期間: なし
任意売却なら、請求が止まる=精神的な負担が無くなる
競売は情報公開されるが、任意売却は情報公開されない(普通の中古住宅販売として行われるので)
任意売却なら、高く売れる可能性が上がり、引渡しの時期も相談可能で、引っ越し代金の工面や生活再建費用の準備期間も期待できる
任意売却なら、再建の可能性=リースバック(一旦売った家に住み続け、後に家を買い戻す方法)の可能性もある
任意売却する場合、依頼手数料や報酬費用は基本的にかからない
このように、任意売却には競売と比較した場合のデメリットがほぼ全くありません。
つまり任意売却のメリットを簡単にまとめると「競売と比べて何もかもが好条件であること」といっても差し支えないでしょう。
任意売却の流れ
任意売却の流れを簡単に説明すると、下記のようになります。
業者による見積もり・分析後に具体的な対応方法を選択し、
任意売却する場合は、ローンの抵当権をあなたの自宅など不動産に設定した金融機関(債権者)に、その抵当権を取り下げてもらうよう交渉します。
了承を得たら、出来るだけ市場価格に近い値段で不動産を売却します。
詳しくは「任意売却の流れ」ページへお進みください。
任意売却をする人たちは、どんな人?
住宅ローン返済の負担を軽くしたい方々 / 住宅ローン返済が滞っている・支払いが難しい方々
~現時点で住宅ローンの返済が難しく、返済ペースが遅れていたり、督促状や催促状・競売開始の通知書が届いた方。物件売却額が残債務額を下回る(オーバーローン)見込みのため、通常の売却方法で家を売れない方々
~競売を回避するにも、普通売買で家を売った売却金で住宅ローン残額を一括返済することが出来ない方。競売が迫っており、何としても競売を回避したい方々
~とにかく競売が間近のため、何としても競売を避けたい方。
任意売却をするタイミングとは?
収入減などをきっかけに、今後のローンの支払いに不安がある時(事前に計画も可能で一番効果的です)
催告状・督促状が届いていたり、現在ローンの支払いを滞納中である時(任意売却の選択時期です)
競売開始の通知が来た時(競売と同時進行になります、任意売却する最後のチャンスです)
任意売却の依頼先を選ぶ際の注意事項
任意売却は不動産会社が行うのですが、その手続きや交渉は少し特殊です。法律問題や金融知識、経験が無いと難しい内容となっています。
金融機関との交渉も必要ですから、依頼の際は必ず「任意売却専門の不動産業者(または任意売却を手掛ける各種士業者など)」にご相談ください。
もし依頼先の選び方が分からない場合、当社(オーナーズ・プランニング株式会社)も所属している「一般社団法人 任意売却協会」などの任意売却関連機関に相談するのもよいでしょう。プロに任せて、最善のパートナーを選んでもらえます。
「任意売却の専門家」オーナーズ・プランニング株式会社からのご提案
弊社へ届いた住宅ローンの返済および滞納に関するご相談や、競売回避のご相談に関しては、主に下記の方法で対応させて頂いております。また弊社独自サービスとして、安心サポートも提供しておりますので、ぜひチェックしてみてください。
弊社は創業から主に、大阪・兵庫を中心とした幅広い範囲での任意売却成功実績を収めてきました。是非お気軽にご相談ください!
一括買取
残債務額に応じて、一括での購入や売却ができるかを相談・分析し、場合によっては一括買取によって借金を残さず住宅ローンを完済することが可能な場合があります。
任意売却
一括買取が難しい場合、任意売却を検討します。債権者と交渉して、少しでも市場価格に近い値段で不動産を売り、借金を無理なく分割して払えるように調整します。